$ 0 0 マイフェイバリットな日本画家、上村松園の描く美人画のなかで、一際異彩を放つ傑作「焔」。源氏物語に登場する六条御息所の生霊を描いているという。女の情念をこんなにもリアルに描く才能もさることながら、描き手の注文に応えたモデルの存在に戦慄を覚える。この表情は演技ではとうてい不可能だと思われる。このモデルの女性の身の上に何があったのか?それを知って松園は敢えて彼女を起用したのか?一枚の絵に纏わる物語を、こんな風に想像してみるのも、楽しいものだ。