三島由紀夫先生原作の「金閣寺 / The Temple of the Golden Pavilion」を市川崑監督が映画化した本作。
「炎上」
最初に「歴史の一断片ではない。」と註釈が入るが、三島由紀夫先生は実際にあった事件を元に、凄まじい美意識を屈折した主人公の痛々しいまでの情念に憑依させて画いている。
今回で5回目になるが、最初は雷様の三枚目役なんて!
と思っていた。
美しい雷様が不細工に見えるのは、その演技に依るところが大きいはずだ。
とにかく三枚目を完璧に演じる事によって、もはやその役のキャラクターは、三枚目でなくなってしまう。
雷蔵様の演技は、其れほどに素晴らしい。
要は演者の価値、魅力は「容姿」でなく、本質的には演じるものの生命と魂の輝きによるのだ。
仲代達矢の悪魔性も魅力的!
中村玉緒ちゃんもかわゆい。
それにしても、なんとも後味のわるい作品だ。